英国の写真家ブライアン・ダフィーによる撮影。
氏は有名デザイナーを輩出した Saint Martin's School of Art を卒業した後、ファッション誌『Harper's Bazaar』でキャリアをスタートし、後に『British Vogue』へ移籍した。
この写真は『David Bowie Is』というタイトルで、ロンドンの Victoria and Albert Museum に保管されている。
さらに Chris Duffy と Kevin Cann によって2014年にリリースされた『Duffy Bowie: Five Sessions.』に収録された。
約一年ぶりの「ボウイとフォント」第2弾。
今回は6枚目のアルバム『アラジン・セイン』をピックアップした。
◆ 写真について
英国の写真家ブライアン・ダフィーによる撮影。 氏は有名デザイナーを輩出した Saint Martin's School of Art を卒業した後、ファッション誌『Harper's Bazaar』でキャリアをスタートし、後に『British Vogue』へ移籍した。
この写真は『David Bowie Is』というタイトルで、ロンドンの Victoria and Albert Museum に保管されている。 さらに Chris Duffy と Kevin Cann によって2014年にリリースされた『Duffy Bowie: Five Sessions.』に収録された。
ちなみに、この本の表紙には ハーブ・ルバーリン (Herb Lubalin) とトニー・ディスピニャ (Tony DiSpigna) による傑作フォント Serif Gothic が使われている。 ディスピニャ氏は Sarah Vaughan – Songs Of The Beatles, 1981 のカリグラフィーを描いた人物。 氏へ作品を送った際、幸いにもすぐに返事をいただくことができ、厳しい指摘と温かいアドバイスを受けることができた。
Duffy Bowie: Five Sessions. 2014
◆ メイクアップについて
メイクアップはフランス出身のメイクアップアーティスト、ピエール・ラ・ロッシュが行った。 彼は60年代に渡英し、アメリカの化粧品ブランド『Elizabeth Arden』 のメイクアップアーティストとなった。 稲妻のようなメイクアップは、ナショナルの炊飯器に付いてあったロゴからインスパイアされたという(ホンマかいな)。 この舞踏のような創造とデカダンな香りが漂う彼のメイクアップは、以下のボウイ作品でも見ることができる。
このスタイルは、KISS やグレートカブキ、グレートムタ、聖飢魔Ⅱ、LADY GAGA へと受け継がれることとなる。
昭和を思い出すナショナルのロゴ。 現在の社名はパナソニック。
◆ フォントについて
フォントは、フランスを代表する活字鋳造所ドゥベルニ・エ・ペニョ 社が1955年にリリースした Crystal である。 レミー・ペニョによってデザインされたが、現在、デジタル版は販売されていない。
この鋳造所のルーツは作家バルザックの印刷所にあり、19世紀まで遡ることができる。 1930年頃になると、同社からカッサンドルが独創的な書体をリリースし、クリスチャン・ディオールなどに書体を提供した。 ちなみにカッサンドルの出身地はウクライナである。
Crystal by Rémy Peignot for Deberny & Peignot in 1955
アルバムを元にカーニングしたもの。